糖質

糖質とは

糖質は、体や脳に欠かせない主要なエネルギー源です。ブドウ糖や果糖などの「単糖類」、単糖が2個つながったショ糖(砂糖)、乳糖、麦芽糖などの「二糖類」、単糖が3~10個程度つながったオリゴ糖、10個以上つながった「多糖類」に分類されます。

小麦に含まれる糖質

小麦に含まれる糖質の大部分は、多糖類の1つである「でんぷん」です。ブドウ糖が何万個も鎖のようにつながった状態であるでんぷんは、口に入ると、口から胃、十二指腸を通過しながら、さまざまな消化酵素の働きによってブドウ糖同士の結合が切られていきます。そしてようやく小腸で最小単位であるブドウ糖にまで分解、吸収されます。吸収されたブドウ糖は、血液中に取り込まれ、全身に運ばれます。

一方、でんぷんの中でも消化・吸収されずに大腸まで届くものもあり、こちらは「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」と呼ばれています。
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ブドウ糖の働き

全身に運ばれたブドウ糖は、主に体や脳を動かすエネルギー源として使われます。脂質やたんぱく質もエネルギー源として使われますが、ブドウ糖はそれらに比べて早くエネルギーに変換されます。また、人体の司令塔である脳がエネルギーにできるのは、ほとんどがブドウ糖です。
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不足にも、摂り過ぎにも注意

エネルギー源であるブドウ糖が不足すると、疲れやすくなったり、集中力が低下したりといった不調が起こりがちです。場合によっては、脳へのエネルギー不足から意識障害につながることもあります。反対に、摂り過ぎると、エネルギーとして消費されなかったブドウ糖は、脂肪となって体内に蓄積され、肥満や生活習慣病の原因になるため要注意です。

監修

女子栄養大学副学長
香川靖雄